気になる街は、どこにある?
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このテーマの解説・移住前に知っておきたいこと
この一覧には、どの街が載っている?
本タグでは、2026年7月時点でユネスコの世界遺産一覧に登録されている日本国内の物件のうち、文化遺産21件・自然遺産5件の合計26件を対象としています(文化庁「日本の世界遺産一覧」に基づく)。最新の登録は2024年の「佐渡島の金山」(新潟県佐渡市)です。
一つの世界遺産が、複数の街にまたがることもあります。「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」は山梨県と静岡県の5市町村、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」は8市にまたがります。離れた複数の場所を、一組の世界遺産として登録する「シリアルノミネーション」という形です。この一覧には、世界遺産を構成する場所が一つでもある自治体を載せ、合計76自治体を紹介しています。
世界遺産の周りには、資産を守るための「バッファゾーン」と呼ばれる区域が設けられていることが一般的です。日本語では緩衝地帯といいます。範囲やルールは遺産や自治体によって違うため、全国共通の数値では説明できません。住みたい場所の確認先は、後の建物のルールの項目で紹介します。
本タグの対象自治体は28都道府県にまたがっており、北海道から沖縄県まで全国に分布しています。特に自治体数が多いのは、複数の構成資産が広域に点在する「明治日本の産業革命遺産」(8市)、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」(10市町村)、「北海道・北東北の縄文遺跡群」(8市町村)などです。一方で姫路城や原爆ドームのように、1つの自治体だけで完結する資産もあります。
歴史や自然が、暮らしの近くにある楽しみ
世界遺産のある地域では、長い時間をかけて歴史ある景色や自然を守ってきたところが多くあります。文化財や自然を身近に感じ、地域の成り立ちを知りながら暮らせることが特徴です。京都市や奈良市には世界遺産を構成する場所が多くあり、暮らしの範囲に寺社や庭園が点在しています。散歩の途中で歴史ある建物に触れられる環境です。
観光地としての知名度が高いことから、公共交通機関や道路などの観光インフラが比較的整備されている自治体が多いのも特徴です。また、地域の歴史・文化を伝える資料館や教育プログラムが充実している自治体も見られ、子どもの教育環境として文化的な刺激を重視する家庭には魅力になり得ます。
地域ブランドという観点では、世界遺産を核とした移住・定住施策や空き家活用に力を入れている自治体もあります。例えば白川村(白川郷・五箇山の合掌造り集落)や姫路市(姫路城)などは、観光と生活が共存する街づくりを進めている代表例です。ただし施策の有無・内容は自治体ごとに違うため、具体的な支援制度は移住先自治体に個別に確認してください。
また、世界遺産を目的とした来訪者が一定数見込めることから、地域の飲食店や商店、宿泊施設などの生活関連サービスが維持されやすい傾向も見られます。人口減少が進む地方部では、観光需要が地域経済を下支えする役割を果たしている自治体も少なくありません。移住を考えるときは、こうした観光関連産業への就業機会も選択肢の一つになり得ます。
家を建てる・直すときに、確かめたいルール
世界遺産やその周りの景色を守るため、景観法や都市計画法に基づく計画、自治体独自の条例が定められている地域があります。建物の高さや色、屋根の形、外壁の素材などに制限があり、新築やリフォームの前に届出や話し合いが必要になることがあります。
文化遺産と自然遺産では規制の性質が異なる傾向があります。文化遺産(寺社・城郭・産業遺産など)の周辺では、景観法や文化財保護法に基づく建築物の意匠・高さ規制が中心になりやすく、自然遺産(屋久島・知床・白神山地・奄美群島など)の周辺では、自然公園法や森林法に基づく開発行為の制限(伐採・造成・建築行為の許可制など)が関係してくることが一般的です。
高さの上限や使える色などは、自治体や地区で大きく違います。全国で共通するルールはありません。同じ街でも、遺産の中心と周辺、市街化区域と市街化調整区域では扱いが変わることがあります。家を建てたり直したりするなら、住む予定の場所を伝え、自治体の都市計画課、建築指導課、景観の担当部署にルールを必ず確かめてみてください。
観光シーズンの街を、暮らす目線で見る
世界遺産には国内外から観光客が訪れます。観光シーズンに道路や電車、バスが混み、普段の生活道路にも人が増えることがあります。遺産に近い集落や市街地では、住民と観光客が同じ道を使うことも多く、買い物や通勤・通学に影響が出る地域もあります。
地価や家賃については、観光需要や別荘・民泊需要が影響し、同じ自治体内でも世界遺産の周辺エリアとそれ以外のエリアで水準が異なる場合があります。ただし、その傾向や度合いは自治体・地域によって差が大きく、一律に「高くなる」と言い切れるものではありません。具体的な地価動向は、国土交通省の地価公示や自治体の固定資産税路線価、地元の不動産業者への相談で確認するのが確実です。
このほか、観光地であることに伴う課題として、民泊や観光施設の増加による地域コミュニティの変化、季節による人口の増減、ごみ処理や騒音など観光客対応に関する自治体の取り組み状況もあります。移住を考えるときは、観光シーズンの実際の生活の様子について、移住相談窓口や地域おこし協力隊、先に移住した住民の声などから情報を集めることをおすすめします。
住宅の取得に関しては、世界遺産の構成資産や伝統的建造物群保存地区に指定されているエリアでは、古民家や伝統的な様式の住宅を維持・改修する際に一般的な住宅とは異なる手続きや費用がかかる場合があります。白川郷の合掌造り集落のように、景観維持のための独自ルールが設けられている地域もあるため、空き家バンクなどで物件を探す際は、建物の指定状況とあわせて改修時の制約を自治体窓口で確かめることが大切です。
よくある質問
- Q. 世界遺産の近くに住むと、家の建て替えやリフォームに制限がかかりますか? / A. 資産周辺のバッファゾーンや景観地区に指定されている場合、建物の高さ・色彩・意匠に制限がかかることがあります。制限の有無や内容は自治体・地区によって違うため、移住予定地の都市計画課や景観担当部署に事前確かめてみてください。
- Q. 世界遺産のある自治体は地価が高いのですか? / A. 資産に近いエリアでは観光需要等の影響を受ける場合がありますが、自治体全体で一律に高いとは限りません。同じ自治体内でもエリアによって差があるため、地価公示や地元の不動産業者への相談で個別に確認するのが確実です。
- Q. 1つの世界遺産なのに複数の自治体が一覧に載っているのはなぜですか? / A. 「富士山」や「明治日本の産業革命遺産」のように、1つの世界遺産が複数の市区町村にまたがる構成資産で登録される「シリアルノミネーション」という形式があるためです。本タグの一覧では、構成資産を1つでも含む自治体をすべて掲載しています。
- Q. 自然遺産(屋久島や知床など)の地域でも景観規制はありますか? / A. 文化遺産の建築規制とは性質が異なりますが、自然公園法や森林法に基づく開発行為の許可制など、土地の造成や伐採に関する制限が設けられている地域があります。具体的な制限内容は各自治体・地域の自然保護担当部署への確認が必要です。
- Q. 世界遺産のある自治体には移住相談窓口がありますか? / A. 姫路市や白川村など、移住・定住施策に力を入れている自治体では移住相談窓口や空き家バンクを設けている場合があります。ただし全ての自治体に窓口があるとは限らないため、移住予定の自治体の公式サイトや移住・定住ポータルサイトで最新の情報を確認してください。
出典
- 文化庁 日本の世界遺産一覧 (参照: 2026-07-09)
- UNESCO World Heritage Convention (参照: 2026-07-09)
- 文化遺産オンライン 世界遺産特集 (参照: 2026-07-09)
- Nippon.com 日本の世界遺産一覧 (参照: 2026-07-09)
- Wikipedia 日本の世界遺産 (参照: 2026-07-09)
- 国土交通省 景観法の概要 (参照: 2026-07-09)
- 環境省 自然公園法について (参照: 2026-07-09)